まだビームが撃てない

レーザーはもう撃てる

亀は意外と


人に勧められていた映画「亀は意外と速く泳ぐ」を見た


90分ほどの短めのコメディ映画で、平凡すぎる主婦がたまたま見つけたスパイ募集のチラシ(2cmくらいの超ミニサイズ)の電話番号にかけちゃう話。アクの強いキャラクターとエッジの効いた小ネタが連続して登場しまくり、メッセージ性がどうとかいう話ではないけど、あまりに空気感が緩くて良かった。


実家に帰省した主人公の父親がなぜかスルメイカでウエスタンジャケットなるものを作っており、それを見た主人公が「イカスタンジャケットじゃん♪」という下りが好き。それ以降掘り下げられることはもちろんない。なんなんだよイカスタンジャケットって

この映画を勧めてくれた人は、公安の車がオーザック(ポテトチップスの亜種みたいなヤツ)の袋を踏み潰して停車するシーンが好きらしい。もちろんそのエピソード自体は、以降も掘り下げはなく何の伏線でもない。なんでオーザック踏ませたんだ


三木聡監督の作品が手がけた作品は、不条理系と呼ばれるらしい。たしかに不条理だ。物語に必要のない部品が映画内にたくさんある。でも、他の合理的な映画ではきっと得られないものばかりだろうなと感じました


あと、この映画の序盤はなぜか見たことがある気がする。派手の甲羅の亀に、カメカメ1週間というサイケなパッケージのカメ餌を上げるシーン。あの餌は購買意欲がそそられないなと思った記憶がたしかにある。

高校の頃、授業が進みすぎるとおススメ映画を上映しはじめる教師がいたので、彼の授業で見たのかもしれない。

若い先生だったが、高三の最後の方には明確に敵対してしまった。今思えば、俺は人生で会った過半数の教師を怒らせ、対立している。大人になった今では「彼らも一人の人間で、聖人じゃないもんな…」と思いたいけど、それはそれとして立場を利用した一方的な態度と行いの記憶は俺の胸の奥のよどんだグヨグヨをより一層肥大化させ……とまでは思ってないし、すごく関係のない話


監督が同じ「図鑑に載ってない虫」も見てほしいと言われた。時間があったらまた見よう

明日から忙しいけど、時間があれば水族館に一人で行き、悲しい音楽を聴きたい


川崎でした。