海水1個、海水2個、海水3個
遠くの山を見た。山に囲まれた街にいた。同じくらいの高さのいくつもの山が連なっていて壁みたいになった山たち
いくつもの山がレイヤーとして重なっていて壁を作っているけど、手前にある山に比べると奥側にある山はすこし白くなっている
より遠くにあるものは白く薄く見える。美術的な技法でも空気遠近法っていうのがあって、遠くにある物質ほど観測物と観測者の間にある大気が増え、白く色づき、霞んで見える(ブルーピリオドで読んだ)
遠くにあるから色が消えて薄く見えるとも言えるし、俺と山との間に大気の層がたくさんあるから白色が増えているとも言える
すげー透明に見えるものでも積み重ねたら濃い色になって予想もしないドス黒さを発揮したりするし、逆に色の濃いものだと思っても一部を剥ぎ取ってみると、透明にしか見えなかったりするんだよなー
海ってあんなに青だったり緑だったりするけど、手で掬い上げてみるとすげー透明だったりする。「海」と「海水」って全然違う。海はたくさんの海水によって作られている
海って何個の海水でできてるのかな
ある日のある瞬間、すべての海が一滴残らず一瞬で完全に蒸発したとして、それを予見していた俺がコップ一杯の水を保管していたとしたら、それが世界最後に残った「海水一個」だったら、事実上、そのコップが海ということになりますね
なります
という感じ
川崎でした。