くねくねえんぴつ
くねっくねと曲がる、おもちゃのえんぴつを知っているかい。そういうのがこの惑星にあるんです。ご存じでしょうか
小学生5年くらいのころ、同級生の男子が学校に、くねくねとまがるえんぴつを持ってきていた。元来、えんぴつとは曲がらぬもの。しかし彼のえんぴつは曲がりまくってしまう
それはちょうど、棒状のハードグミ程度の硬度
一応、えんぴつとしての機能を果たすことはできる。実際に文字は書けるんです。しかし、くねくね曲がるというギミックの代償なのか、かろうじてまあ、書けるてるかなあ?くらいのうっす〜い線しか引けない。筆記用具としてはカスでも、くねくねえんぴつの噂を聞いた同級生が隣のクラスから見にくるほど、小学生5年生たちの心をくすぐる、強い求心力を持ったアイテムだった
その日は、くねくね曲がるえんぴつのことで、俺の心がいっぱいになったのを覚えてる。放課後に乗ったバスの中で、くねくね曲がるえんぴつのことを考えていたことも覚えているよ。そのとき俺は窓際の席に座っていたんだ
大人になった今はもう、くねくね曲がるえんぴつはもう欲しくないけど、くねくね曲がるえんぴつが学校にやってきたあの日のことは、細かい部分までずっと忘れられなくて、これからも忘れずにいられるといいなと思った
Amazonで調べてみると、くねくね曲がるえんぴつは10本500円で売っていた。タイムマシンがあるなら、あの頃の俺にくねくねえんぴつを届けてあげたい。10本くらい
そしたら2日間くらいはクラスの人気者になれるだろうから
川崎でした。