あの子たちには新幹線の思い出があるのかなあ
やや久々に新幹線に乗った。こんなに高速度で乗り物が動くなんて、相当おかしなことだとずっと感じる
窓側の席が大好き。ダウナーな音楽を聴きながら高速で流れる街や家屋を眺めて、一瞬だけ見える窓の中とかを注視して、いろんな生活を想像してみたりとかね。一つの生活を想像し終える前に次の景色が超高速でやってくるのが窓側席のいいところ
さっき、知らない学校の目の前を横切った。小学校? 中学校? 校庭を挟んで茶色い校舎が見えた。この学校に通っていたなら、授業中ふと横を見れば真横を新幹線が走り抜けている、なんて当たり前の光景に思えるんだろうな
俺は田舎の学校に通っていたから、ふと窓の外を見ると電車が見える生活なんて想像つかないなー。小学校の頃、授業中から窓の外に見えたほんの少しだけ変わった形の木のことをよく意識してたな。その気が特別に高いとか目立っているということは全くないけど、ほんの少しだけ「かぎ爪」みたいな形をしていた。木の形というか、葉のつき方が他の木とは違って、少しだけ特徴的だった
俺が授業中、よくその木を注視していたのは「俺以外、絶対にこの木に誰も注目していない」という確信があったから…逆張り精神みたいなものです
俺にとって特別にしていた木はそれだったけど、みんなにもそういう、授業中に自分にだけ見えていたものとか、あるんだろうな。俺だってあの木に以外にももっと注視していた何かがあったけど、なかなか思い出せることもなさそう
とりあえず木のことはまだ覚えていることができてよかった
あの学校に通っている子たちは、窓の外に新幹線が見えていた思い出をふとした表紙に思い出して、胸を締め付けられたりするんだろうか
川崎でした。